こんにちは、アルタロトです
僕の大好きなV系ロックバンドのDIR EN GREYの8thアルバム『DUM SPIRO SPERO』を全曲レビューします!
通常版と完全生産限定版の2種類ありますが、完全生産限定版のみに収録されている楽曲が3曲あるのでそちらがおすすめですが、新品は高額なのでお好みでどうぞ
DUM SPIRO SPEROの全体的な印象
前作『UROBOROS』では、ダークでヘヴィなサウンドとDIR EN GREYらしさを上手く融合して、英語やシャウトは使いつつも和を基調としており、激しくもキャッチーな曲が多い、濃厚な世界観を描いたDIR EN GREY史上最強&最凶のアルバムだった
今作『DUM SPIRO SPERO』は、『UROBOROS』のような世界観をより深堀した暗く果てしない闇の底という印象。激しさ×和というコンセプトは保ったまま、激しい部分はさらに激しく、キャッチーな部分はさらにキャッチーで、『UROBOROS』と『VULGAR』の良いとこどりをしたようなアルバムとなっている
タイトルはラテン語で「息の続く限り、わたしは希望を持つ」
一度聴いただけでは理解しづらい難解なアルバムだが、何度も聴くうちにこのアルバムから抜け出せないほどハマるスルメアルバムです
Vo.京は今作でも進化しており、地声最高音hiG#と前作と変わらないが、前作はフェイクだったのに対して今作では言葉を乗せれるようになった。オペラのようなファルセットが多く、裏声最高音はhihiA#に伸びた。言葉を乗せたホイッスルシャウトも多用している(「獣慾」など)。
『UROBOROS』では張り上げたハイトーンが多かったですが、今作ではかなり綺麗なヘッドボイスで出していて心地良さすら感じます
DUM SPIRO SPERO全曲レビュー
THE BLOSSOMING BEELZEBUB
これから始まる深く暗い世界へ誘うように終始妖しい雰囲気で淡々と進むスローナンバー。
『mazohyst of decadence』×『MACABRE』みたいな感じ。
オペラのようなファルセット、ホイッスルボイスのフェイクを多用。
中盤で徐々にキーが上がっていき、裏声でhihiAを披露。
DIFFERENT SENSE
アルバム版は小気味良いイントロが追加されている。個人的にはアルバム版のイントロの方が好み。
サビ以外ではグロウルやホイッスルシャウトを多用、サビは綺麗なハイトーンというDIR EN GREY王道のスタイル。前作『UROBOROS』までに得た技術を全て注ぎ込んだ集大成的な楽曲
グロウルやシャウトを多用しているのにキャッチーに聴こえる不思議。まさにDIR EN GREYマジック。サビは地声最高音hiF#、ラストで地声最高音hiG
DIR EN GREY公式チャンネルでライブ版が公開されているので、そちらもどうぞ
AMON
激しさとキャッチーさを融合させた和のテイスト強めの曲
ベースの音が前に出ていて印象的
イントロの裏でVo.京が低音エッジボイス。地声最高音はhiE
クリーン多めだけど時折挟むグロウルやホイッスルシャウトが良いアクセントになっている
「欲巣にDREAMBOX」あるいは成熟の理念と冷たい雨
妖しい雰囲気の漂う、重低音サウンドで進むプログレナンバー
サビで中高音になった後、裏声~地声ハイトーン~裏声最高音hihiAへ上昇
「ゆらりと燃える~」のメロディーがツボです
中盤から転調して疾走 & ブチギレホイッスルシャウト炸裂。ホイッスルシャウトはなんて言ってるか聞き取れませんw
”終焉目の当たりにしても笑え”という前向きな歌詞が良い
獣慾
イントロから畳みかける、グロウルとホイッスルシャウト多めの疾走曲
歪んだギターサウンドと短いギターソロがツボ
ラストのクリーン部分のメロディーと裏でタッピングするギターが好き
サウンドと暴れるボーカルを楽しめる一曲です
滴る朦朧
重低音・変拍子で淡々と進む、和のテイストが強いクリーン中心のミドルナンバー
変拍子のため最初のボーカルの入りが難しいので歌いにくいですw
サビ前のギターサウンドが好き
ホイッスルシャウトの部分はなんて言ってるか聞き取れませんw
LOTUS
刻むギターから始まるイントロがカッコイイ!
ベースの音も前に出ていて◎
メロディーは優しく歌い、サビではハイトーンでエモーショナルに歌い上げるという静と動の対比が良い。ラスサビで地声最高音hiF#へ到達
何気にYouTube上で公開されているDIR EN GREYの曲中、最も再生されている曲です
非常にキャッチーなのでDIR EN GREY入門曲としておすすめです
DIR EN GREY公式チャンネルにてライブ映像が公開されているので、合わせてどうぞ
DIABOLOS
静から動への移り変わりが激しいプログレッシブナンバー。
サビまでクリーンで静かに淡々と進み、ギターソロの後からグロウルパートへ移り、一気に疾走パートへ。セリフの後に再び疾走パート、そしてラスサビへ
「Blue Velvet~」の部分の刻むギターサウンドがツボ
ラスサビで地声最高音hiF#
Disk2にデモ版が収録されており、クリーン中心で聞きやすくなってるので聞き比べてみると面白いです
暁
イントロが『激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇』と似ている
クリーン中心でシンプルだけど、今までになかった感じの和のテイストの強い曲
オペラのようなハモリ、終始刻み続けるベースと左ギター(薫)が印象的
サビ後のラップを聞くと『DRAIN AWAY』を思い出します
サビの語感が良くて歌うと楽しいです
Disk2にデモ版が収録されていますが、別曲と言っていいほど構成が異なっていて、聞き比べてみると面白いです
DECAYED CROW
ホイッスルシャウトとグロウル中心の暴れ曲
メロディー部分がほぼ無いので聞き手によってかなり好みが分かれそう。僕もあまり好きではないです
ここまで振り切った曲だとVo.京の喉が心配になりますね。実際、『DUM SPIRO SPERO』後に喉を壊して手術しましたし。素晴らしい楽曲を提供するというプロ意識の高さは尊敬しますが、歌手にとって喉は生命線なので大切にしてほしいです
激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇
メロディーで暴れて、サビはハイトーンというDIR EN GREY王道スタイルのナンバー
シンプルがゆえにカッコイイ!中盤のシャウトしてブレイクする部分がカッコイイ!
最後のフェイクのハモリで裏声hihiA#を披露
シングル版と比べて全体の音のバランスが良くなっていて、グロウルが聴きやすくなってます
ホイッスルボイスのキレが凄い。
ただ、近年のライブだとホイッスルボイスのキレが無くなり、歌い方も変えていて、「全盛期は過ぎたな」と感じます。僕がDIR EN GREYを聴き始めた時によく聴いていただけに悲しいです
DIR EN GREY公式チャンネルでライブ映像が公開されているので、合わせてどうぞ
VANITAS
Vo.京が亡くなった後輩や東日本大震災の被災者に向けて書いたと思われる、クリーンのみのバラードナンバー
優しい歌声とアコースティックギターが沁みる
ラスサビで地声最高音hiG#
ラストのハイトーンシャウトがどこか寂しい
流転の塔
流転とは
1 移り変わってやむことがないこと。「万物は流転する」
2 仏語。六道・四生の迷いの生死を繰り返すこと。生まれ変わり死に変わって迷いの世界をさすらうこと。「流転三界中」
UROBOROSに収録されてもおかしくないタイトルですね
『VANITAS』→『流転の塔』という流れが『DUM SPIRO SPERO』、すなわち「息の続く限り、わたしは希望を持つ」を表しているんでしょうね
サビでhiFを連発するDIR EN GREY屈指のハイトーンナンバー
中盤で疾走してグロウルパートへ。正直このパートは必要ないんじゃないかと思っていて、あまり好きではないです。『輪郭』収録のアコースティックVerの方が好み
羅刹国
『MACABRE』に収録されていた同曲のリメイク版
原曲とほぼ似た構成だが、サウンドはより極悪になり、グロウルやホイッスルシャウトを多用しており、ブラックメタル色が強くなっている
最初のフェイクで地声hiG#のロングトーン
もはやhiG#は当たり前のように出るようになりましたね
DIABOLOS(Demo2010,Short Ver.)
Disk1収録の同曲の原曲版
- 歌詞や歌唱法が若干違う
- 疾走パートが無くクリーン中心
というのがDisk1と異なる点です
非常に聞きやすくなっているため、まずはこちらから聞いてみるのがおすすめ。僕もこちらを聴いてからDisk1の方も好きになりました
暁(Demo2010)
Disk1収録の同曲の原曲版
基本的なメロディーは同じですが、グロウルやシャウト中心の暴れ曲になっており、『獣慾』や『DECAYED CROW』っぽさがあるので、その2曲と『暁』で分けたのかな、と予想。暁と言えば”和”のイメージが強いからシャウトパートを削ったのかなと
正直、あまりパッとしないので、結果的に作り直して正解だったと思います
おすすめの曲、お気に入り曲
- DIFFERENT SENSE
- DIABOLOS
- VANITAS
DIR EN GREYのエッセンスを短く凝縮した『DIFFERENT SENSE』
和×激しさ×プログレの『DIABOLOS』
Vo.京のハイトーンが堪能できる『VANITAS』
以上の3曲がおすすめです!
DUM SPIRO SPEROのPV集とライブビデオ
Average Sorrow
DUM SPIRO SPERO~ARCHEまでの楽曲のPV集です
TOUR2011 AGE QUOD AGIS Vol.1 〔Europe & Japan〕
DUM SPIRO SPERO発売直後、ドイツのメタルフェスWacken Open Airから始まったヨーロッパツアー~日本でのライブの模様を収録したビデオです。久しぶりに披露された名曲『ain’t afraid to die』も収録されています
TOUR2011 AGE QUOD AGIS Vol.2 〔U.S. & Japan〕
アメリカツアー~活動休止前に大阪城ホールで行なった『UROBOROS』の名を冠したライブの模様を収録したビデオです。初回生産限定盤のみ『UROBOROS』の曲が収録されているので、そちらがおすすめです
DUM SPIRO SPERO AT NIPPON BUDOKAN
DUM SPIRO SPEROライブツアーを締めくくる武道館公演の模様を収録したライブDVDです。
DUM SPIRO SPEROの世界観を再現しつつも、『輪郭』や『THE UNRAVELING』といった最新曲から『C』や『砂上の唄』、『蒼い月』などの珍しい楽曲も披露しており、バラエティに富んだライブとなっている
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